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【住まいの処方銭】「違法民泊」に自治体も横断的に対処

★民泊その後(4)

 各自治体も違法民泊には厳格に取り組んでいる。

 京都市は、41人から成る専門部署を設けた。新法施行後の今年9月、無許可のマンションで民泊を行っていた事業者に対し、行政処分の緊急停止命令を出した。京都府警も同月、別の無許可営業の事業者を摘発しており、いずれも旅館業法の改正後、全国初の事例だ。

 京都市は2015年、7つの局を横断する「民泊対策プロジェクトチーム」を発足。延べ7000回以上現地調査を行い、今年10月末までに2334施設を無許可営業として約83%で営業を止めさせた。16年には「民泊110番」も整備し、相談体制も強化した。市は「新法施行後も相談件数は減少していない。最近では、定員オーバーなど許可物件での苦情が寄せられている」と話す。

 一方、大阪市では今年4月、複数の警察官OBらから成る総勢68人の「大阪市違法民泊撲滅チーム」を発足。来年度は71人体制に増員する予定だ。10月末時点で、通報により解決したのは2637件。このうち、約80%で営業を止めさせた。違法民泊を周知し、市民からの情報を募るため、自治会などにチラシを配布する。成果は上がっており、毎日最大200件の通報があるという。「宿泊サイトには、違法とみられる宿泊施設がまだある。掲載前に違法物件を排除できるよう強化してほしい」(大阪市)

 ところで、問題は国内だけではない。これまで海外の無登録業者が紹介している物件を把握するのが難しかったが、観光庁は住民から通報があれば、自治体が違法物件を見つけやすくするシステムの導入を検討中だ。

 仲介サイトの運営業者には国への登録が義務付けられている。ただし、海外で運営する業者は無登録のまま。これらをブロックする体制が課題だった。早ければ仕組みは19年度から運用される。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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