記事詳細

【新・兜町INSIDE】親会社ルノーの買収攻勢、日産の「回避策」とは?

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長逮捕の背景には、フランス政府の意を受けたルノーによる日産吸収の野望がありそうだ。では、日産は親会社ルノーによる買収攻勢から逃れることができるのか。

 方法はある。日産によるルノー株買い増しである。

 日産は株式の43・4%をルノーに握られている一方、ルノー株の15%を保有している。これを25%以上まで買い増せば、ルノーは日産株の議決権を自動的に失う。

 会社法の「相互保有株式の議決権停止」と呼ばれる規定だ。株式を持ち合う企業同士の「なれ合い」が、少数株主の利益を損なうことを防ぐためにある。旧商法が会社法に衣替えする過程で、この規定の存廃をめぐって議論が交わされた経緯もある。

 ルノー株の追加取得ならば、ゴーン会長らが抜けて日本人が多数を占める取締役会の議決を経れば実現は可能だ。それに日産との関係強化を希望するルノーの要求にも合致する。難点があるとすれば、日産の経営に口出しする権利を失ったルノー株の値下がりリスクだろう。

 【2018年12月12日発行紙面から】

関連ニュース