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【田村秀男 お金は知っている】韓国の“泣きどころ”突く安倍政権の「無視」政策 (1/2ページ)

 安倍晋三首相は1月28日の施政方針演説で、対韓関係について一言も触れなかった。「いわゆる徴用工をめぐる韓国最高裁の確定判決や、火器管制レーダー照射問題など韓国側の動きが原因」(29日付産経新聞朝刊)というわけだが、この「韓国無視」政策は韓国経済の泣きどころを突きそうだ。

 苦笑させられたのは、安倍演説の前の25日付の韓国紙、中央日報(日本語電子版)の社説である。「一触即発危機の韓日関係、速やかな鎮火を」と題し、まずはレーダー照射問題で「先に日本の責任を問わざるをえない」と一方的にまくし立て、「安倍内閣は局面転換のために外交を内政に悪用したという批判を受けて当然だ」と対日批判を展開した。

 ところがそのあとの段落でずっこける。「われわれ韓国側の外交対応にも問題が多い」と一転したあとは、「韓日葛藤が激しくなるほど損害が大きくなるのはわれわれのほうだ」と、珍しく自虐調である。

 懸念の種として、北朝鮮の脅威に対する日米韓の軍事協力の足並みの乱れを挙げたのは方便か。注目すべきはそのあとのくだりで、「下降傾向の経済成長率と不安定な金融環境を見ても日本の対韓投資と通貨スワップ再開は必須だ」と、まるで他人事のような言い方で、日韓通貨スワップ協定の再開の必要性を説いている。

 米朝関係の好転をみて韓国内の対北融和ムードが広がっている中では、前者の問題は実のところ、切実感に乏しいのだろうが、金融不安は韓国経済の足元を崩しつつある。金融危機に対処するためには、日本からの通貨供給しかないという現実を自覚しつつも、日本に対して頭を下げて乞うことを嫌う韓国のジレンマを象徴している。

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