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【榊淳司 マンション業界の秘密】マンション「今が建て替え好機」のワケ 驚愕の開発事例も (2/2ページ)

 つまり、このマンションの開発事業は、残り三十数戸を販売した売り上げによって、解体費用や建築費、広告費、設計料などすべての費用をまかなった上に、利益まで計上することになる。それが可能だから、このデベロッパーは、建て替え事業を行っているはずだ。

 今のマンション市場は局地バブルである。この物件が立地する場所だと、6年前に比べればマンション価格は約2倍になっている。だから、たった三十数戸を販売することで得られる金額で、建築費その他の莫大な費用をまかなった上で、利益まで出せるのだ。おそらく、6年前だったらこういうスキームの建て替えは不可能だった。

 逆の視点で考えよう。6年前だったら無理だった建て替えも、マンション価格がバブル的に高騰している今だったら実現できることになる。特に都心エリアに立地する物件だったら可能性が高まる。

 例えば「7年以上前に建て替えを検討したけれど、1住戸1000万円以上の負担がかかることが分かって、話が立ち消えになった」というケースもある。そういう場合は、ぜひもう一度検討し直してみてはどうか。デベロッパーを何社か呼んで、事業提案を出してもらうのだ。7年以上前に検討した時と比べると、魅力的な内容が出てくるかもしれない。

 そしてこういうことは早い方がいい。このバブルが終わると、それがまた不可能になる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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