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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「贈る言葉」》金価格が物語る世界の動き (1/2ページ)

 いつも詰めている東京・兜町は数字ばかりの世界だ。毎日のように、株式や為替、債券などの値動きから、世の中のお金の流れがどうなっているかを読み解いている。

 金融に縁遠い知人からは、「難しそうな仕事をしているね」と言われることがある。実際、10年前に地方から本社に上がり、知識を持ち合わせないまま証券業界の担当になったときには息が詰まりそうだった。

 時が苦痛を和らげてくれたのか、今ではすっかり金融の世界にはまっている。金融の最大の魅力は、数字を通して世界とのつながりをタイムリーに感じられることだ。価格が動く背景には、必ず投資家の思惑がある。最初に私にそれを教えてくれたのは、金(きん)の相場だ。

 特定の国や団体の信用に基づかない金は「無国籍通貨」と呼ばれる。希少性が高く、性質が変化することがない上、現金に換えやすいといった特徴がある。このため金の価格が動いたときは、政治や経済、社会に何らかのショックが起きたり、起きそうな時と考えていい。

 たとえば、英国が合意のないまま欧州連合(EU)からの離脱を選択したとする。あるいは、朝鮮半島の非核化が遠のくことを示す出来事があったとする。

 こういう想定外のことが起きると、政治や経済や社会に混乱が生じる恐れが出てくる。投資家は株や社債といったリスク性資産から資金を引き揚げ、安全資産に回す。安全資産の最たる例が金だ。