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【榊淳司 マンション業界の秘密】なぜ盛り上がらない?増税前の「駆け込み」需要 過去2回の延期に現実感が希薄か (2/2ページ)

 今回は世界景気も失速気味と伝えられているので、日本経済にとってはダブルパンチとなる。マンション業界にとっても恐ろしい未来図になる。

 そうでなくても、都心やその周辺エリアでの不動産価格は2014年以降バブル的に高騰してきた。いまや新築マンションの価格は業界人でも「誰が買うのだろう」と首をかしげる水準まで価格が上がっている。

 山高ければ谷深し、という。調子よく上がってきた相場は、ハイスピードで下がっていく可能性がある。

 本当に10月1日に消費税が上がるのなら、気を付けなければならないのはその直前の9月だろう。ざっくり言うが、すでに建物が完成しているマンションなら9月中に引き渡しを受ければ8%のまま。10月1日以降だと10%。物件にもよるが、そこで数十万円の違いが出る。

 今度こそ販売側は「9月中にお引き渡しができるように今すぐご契約を」とあおるだろうし、購入サイドも「今決めないと10%になる」と焦りだす。

 しかし、数十万円の差なんて、値引きが始まればすぐにリカバーできるというのが現実。焦ることは何もない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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