記事詳細

【シニアライフよろず相談室】遺言は誰のために書く? 付言事項で真の紛争防止を (1/2ページ)

 最近、人生の店じまい、いわゆる「終活」が盛んになっています。なかでも遺言を残すことは重要事項のため、自筆証書遺言の書き方や公正証書遺言のメリットなど、さまざまな情報があふれています。

 そもそも、遺言は誰のために、何のために書くのでしょうか。

 第一は、遺言者ご本人のためです。自分が築いた財産を望む相手に遺す、先祖から受け継いだ財産をきちんと守ってくれる相手に託す、社会のために有益に使ってもらう--そうした遺言者ご本人の意思を、死後に実現してもらうために作成するのが遺言です。

 他方で、遺言は残される家族のためでもあります。遺言に具体的な遺産の分け方を書くことで、相続に関する争いをある程度防止することができます。これは、遺産の多い少ないは関係ありません。親と子、あるいはきょうだい間で争いが起きないよう指針を示すことは、先に逝く者としての最後の務めとも言えるでしょう。

 そして何よりも、遺言は「家族に対する最後の手紙」です。子供にとっては「親からの通知表」とも言えます。

 遺言者は、家族の置かれた状況、遺言者との関係などさまざまな事情を考慮して遺言を遺します。しかし、遺産が自宅不動産しかない場合や、自立できていない子供がいる場合など、状況により不平等な内容にせざるを得ないこともあります。

 遺言があっても、家族が納得しなければ、遺言の効力を争ったり、遺留分の争いが起きてしまいます。そして、このような紛争は、多くの遺産をもらいたいという気持ちだけでなく、親から愛されていなかったのではないかという複雑な思いから生じる場合も多いのです。家族のための遺言が家族の対立を生む、そのような悲しい結末は遺言者の望むところではないでしょう。

関連ニュース