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【こんな時代のヒット力】手続きなど「購買障壁」とことん減らしヒット! ソースネクスト『ポケトーク』 (2/2ページ)

 開発途中ではスマートフォン用のアプリとしてリリースすることも考えたが、スマホのマイクはノイズを拾い、発話の音量も低すぎる。翻訳機能に特化した専用機を作り、音声部分の性能を強化、海外でもそのまま使える使いやすさを目指した。「機能を絞った専用機だからこそできた」のだ。

 しかも、スマホ購入時のような契約手続きや手間は一切不要。月々の利用に見合う通信費も発生しない。2年間使い放題の使用料を本体価格に含め、そのうえで価格を2万円台に抑えた。

 「スマホなら手続きに半日かかっても我慢するが、翻訳機を買うのにその手間は我慢できない、月々の使用料も払わない」と考えたからだ。

 「ものすごく使う人がいたら、損をする」という心配もあった。だが、「購買を妨げるあらゆる障壁を取り払うこと。それが今までにない、まったく新しい商品を普及させる条件」だと考え、リスクを承知で買いやすさに賭けることにしたという。

 発売にあたっては、テレビCMと通販番組を併用した。「知られていない商品を知らせるためには、知られている人を使う」とCMには明石家さんまを起用した。通販番組では、海外で起こりそうなシチュエーションを提供し、共感を集めた。

 ヒットの要諦は「買うまでのプロセスを簡略化するか、購買障壁を減らすこと」。そして、「いいものを作る。知らせる。この2つだ」と松田氏は言う。

 2020年の東京五輪を前に、大きな市場が誕生した。(村上信夫)

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