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【榊淳司 マンション業界の秘密】米中欧でジワリ… 世界同時不動産下落は起こるのか? (2/2ページ)

 海外から「不動産価格が下がり始めた」というニュースが多くなると、市場のマインドが冷えることは間違いない。心配なのは中国と香港だ。普通のマンションの価格が年収の50倍から100倍にまで上がっているエリアがあるという。しかも、中国や香港の場合は所有権ではなく長期の借地権が絡んでいる。

 距離が近いだけに、中国や香港で不動産価格が激しく下落すると、対岸の火事では済まなくなる可能性がある。

 また、日本国内の特に新築タワーマンションなどは、15年前後の時期に中国人たちに爆買いされた。その一部が現在売りに回っていると推測されるが、これが近い将来大量に流通市場に出てくることも想定できる。

 そもそも、世界中で金融緩和をやり過ぎたのではないか。管理通貨制度の下ではお金を無限に増やせるが、不動産は基本的に限られる。そのため金融緩和は常に不動産をバブル化させるリスクをはらんでいるのだ。

 そして、バブルが崩壊すると長い不況期が始まる可能性が高まる。いつもこの繰り返しだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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