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【AI時代の発想術】「数学的な思考力」でAIは使いこなせる! (2/2ページ)

 身近な事例を挙げてみよう。地球の周回軌道上を回っているNASAの宇宙望遠鏡「ハッブル望遠鏡」は、宇宙にある星の膨大なデータを集めたが、肝心なことはそこから何を発見するかだ。

 ある科学者が、地球と同じ星が宇宙のどこにどのぐらいあるかをAIに解析させたところ、23個も見つかったという。

 どのように解析したのか。まず、地球とは何かを一つずつ挙げていった。<青い、球体、回転、空気、気候、水、大地、生物、食物連鎖、地下マグマ…>といった特徴が挙がった。

 それらが複雑に絡み合いながら変化している天体として地球を定義。次にそれを数式で表したものをAIに入力し、この数式に類似したものを膨大な星のデータから探し出せと指示する。その間にも、ハッブル望遠鏡は星のデータを続々と集めてくる。そしてAIは継続して探し続ける…という具合だ。

 ここで大切なのは、地球とはどのようなものかを具体的な数式にして、それを人間がAIに設定するという作業だ。データから何を導き出したいかを人間が考え、それを数学に“翻訳”してAIに与える。それを解析して答えを導き出す、というのがAI時代のプロセスなのだ。

 AIを使いこなす能力とは、人間の観察力と創造力、そして数学的なものの考え方だ。このいずれもAI時代には不可欠な能力となる。線形代数や微分積分などの概念だけでも知っておくと、AIがどのように動くのかが分かるだろう。受験用の講義が多いが、YouTubeには数学の概念を紹介する動画が多数登録されている。(プランナー・久保田達也)

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