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【渡邉美樹 経営者目線】原発は人間が近づいてはいけない“バベルの塔” 再生エネルギー100%目指す「RE100」宣言 (1/2ページ)

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 1年半前に初孫が誕生した。孫ができてから、より長い先の未来を考えている。

 今回は、私の「脱原発」についての考えを述べたい。2013年の参院議員初当選以来、「原発ゼロへの道筋を作りましょう」と繰り返し言ってきたが、国をその方向に動かせなかった。

 当初は私も、高速増殖炉「もんじゅ」の核燃料リサイクル構想などを聞き、永久にコストの安い電気をつくることができ、ゆくゆくは途上国のエネルギー政策に貢献できる素晴らしい技術かもしれないと思っていた。

 だが、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第1原発事故は大きな転換点だった。福島県は妻の田舎で繋がりも深い。

 エネルギー政策を審議する参院経済産業委員として、福島第1原発と同県大熊町を視察した際、人っ子一人いないゴーストタウンの光景に大変な衝撃を受けた。崩れた安全神話を目の前にした。

 私は中学時代から聖書を愛読してきた。原発は人間が近づいてはいけない“バベルの塔”で、「原子力は人間が手を出す領域ではない」と警告を受けたとすら感じた。

 私が参院議員に当選した13年当時は、自民党内にも「脱原発」の雰囲気がまだあった。その頃の主たる議論は「東京電力をどうするか」だった。私は、東電は上場企業として、巨額の負債を抱えており、国民との合意のなかで、一度「整理」をしてから前に進むのが、あるべき姿ではないかと、経営者目線の提言を続けた。

 しかし、東京電力が存続されるという方針が決まり、そこから巨額の負債の返済のため、コストの安い原発を再稼動する流れが出来上がっていく。コストが安いとはいえ、福島のように事故がおきたら「安い」は当然あてはまらない。

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