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【渡邉美樹 経営者目線】民間の農業進出に不可欠な「農協との共存共栄」 (1/2ページ)

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 朝、昼、夜とサラダを食べる。野菜が大好物である。今回は「農業」について話をしたい。国内最大規模を誇る有機農業、ワタミファームを経営してきた。その経験から、農業改革の政策提言を続けてきた。

 居酒屋をはじめた頃、農薬が多く使われた野菜やレモンを、まずは洗っていた。自分が理想とする居食屋「和民」をはじめるにあたり、無農薬、有機を理想とした。しかし、有機は値段が高く、私の理想とする価格にあわない。農協も手間のかかる有機は推奨していない。それならば自分たちで作ろうと考えた、純粋な動機だ。

 しかし当時、民間企業の農業参入は至難であった。まず農地すら貸してもらえない。やっと出会った北海道の契約農家の方に、「農薬量を半分にしてほしい」「除草剤をまかないで」と理想を頼むところからはじまった。そうした中で、有機農業のパイオニアという人物と知り合った。30年近く培ってきた彼の経験とコネクションで、今のワタミファームは本格的にスタートした。

 有機農業は、土地に加え、何より技術が必要だ。例えば、防虫のため、あえてハーブ系の雑草を植えたり、畑の植物をそのまま土にすき込んで「緑肥(りょくひ)」という肥料を作ったりする。土づくりにも3年はかかるので、執念も必要だ。ワタミファームも黒字化まで約10年かかった。

 私が、国会議員に当選した6年前、農協改革が大きな政策テーマであった。農家の高齢化は進み、後継者不足は深刻な問題だ。今後、そこを補うのは民間企業の農業進出である。目先の農協票より未来の日本農業を議論すべく改革提言を続けたが、農協票を背負う議員から野次を受けたことも多々ある。

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