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【こんな時代のヒット力】「マズいです!経営状況が…」訴え大ヒット! 銚子電鉄「まずい棒」 (2/2ページ)

 「ぬれ煎に加えて、さらに稼ぐしかない」と全社員必死で考えた。そこで目をつけたのが、お化け屋敷電車の土産用に準備していたスナック菓子だ。「冥土の土産」とネーミングし、「本当にまずいものを売ったら話題になるのではないか」というもくろみだった。他に策もなく、これに賭けることにした。

 味は「冥土の土産ならまずくても話題になればいいが、稼ぐのであればそうはいかない」(柏木氏)と、売れそうなコーンポタージュ味にコンセプトを変更した。「まずい棒」のネーミングは、お化け屋敷電車の演出を担当する怪談蒐集家の寺井広樹氏による「経営状況がまずい」から発想した。

 当初のパッケージはホラー漫画家の日野日出志氏による描き下ろしで「もっと怖かった」が、「これでは売れない」と急遽、描き直した。価格は15本セット600円。8月3日18時18分(破産は嫌、嫌)に、社長の「まずい!もう一本」の掛け声で売り出した。

 それをニュース番組が報じると、あっという間に注文が殺到。初期ロットの半分の1万5000本が売り切れた。だが、「ここまで売れると思っていなかったので、追加生産が間に合わない」という事態に陥る騒ぎになった。

 「とにかく、話題にするため考えられるかぎり徹底的にやった」と柏木氏は言う。

 まずい棒は累計100万本の大ヒット。今年の10連休は、まずい棒目当てに過去最大の乗客数と鉄道も順調。まずい棒の勢いでぬれ煎餅も売れた。きっかけとなった車検代は、「なんとか支払えた」という。(村上信夫)

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