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【榊淳司 マンション業界の秘密】業界の常識「造れば売れる」から…揺らぎ始めたタワマンの“価値観” (1/2ページ)

 タワーマンション(タワマン)が一気に増え始めたのは1997年の建築基準法改正以降だと言われている。したがって、竣工は2000年以降が多い。

 その頃から今まで、タワマンは「造れば売れる」というのが業界の常識だった。だから、デベロッパーは開発できそうな用地を意欲的に獲得してきた。

 ◆住形態に疑念

 タワマンは行政サイドのさまざまな許認可を必要とする。湾岸の埋め立て地のような場所だと、周辺に地域住民がほとんどいないので建設への許認可も下りやすい。

 しかし、すでに市街化されて何十年も前から人が暮らしている場所では、周辺の住民が反対するケースが多い。そういう場合でも、行政は「業者寄り」と思われても仕方のないような対応で建設を認可してきた。

 ところが、ここ数年でタワマンという住形態自体を懐疑的に捉える見方が広がってきた。

 2017年6月、イギリス・ロンドンの27階建てタワマンで火災が発生。死者・行方不明者が70人を超えた。日本のテレビもニュース映像を流したので覚えている方も多いだろう。

 この報道を見た一部の人々は、ロンドンのタワマンが主に低所得者向けの住宅であることに気付いた。イギリスも含めて、欧米人は超高層の建築物を必要悪と捉える風潮があるという。

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