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埼玉発「ぎょうざの満洲」 消費増税に負けない“独自すぎる”ビジネスモデルに迫る (3/5ページ)

 「父はギョーザを包むのが下手で、仕方なく1店舗目からギョーザを自動的に包む機械を入れたのです。この機械は当時では珍しかったものでした。そうしたら、時間がかからずにどんどんできてしまって。たくさんつくれるので世間よりずっと安く売ったから、繁盛したのです」(池野谷社長)。

 金子氏は脱サラした当初、牛乳販売店を営んでいたが、町中華の流行に刺激されて3年ほどで中華料理店に商売替えをした。最初は調理ができなかったので、中華のコックを雇った。

 1964年に開業した「満洲里」という創業店は、新所沢の駅から歩いて20分ほどかかる場所にあった。住宅街というよりも畑や原野に囲まれたのどかな場所にあり、出前を取らなければ経営が成り立たなかった。

 出前に行く時間をなんとか削減できないかと考えていたが、ギョーザが売れるようになると、出前を止めてもやっていけるようになった。生ギョーザのテークアウトもその頃から多かった。所沢界わいが武蔵野うどんの産地で、小麦や粉もんを食べる文化に親しんでいたのも、成功要因に挙げられるだろう。埼玉のローカルチェーンとして著名な山田うどんも、所沢市が発祥である。

 「生ギョーザの持ち帰りはウチが流行らせたのではないか」と、池野谷社長ははにかみつつも自慢げに語る。ギョーザが大ヒットしたため、店の屋号も「ぎょうざの満洲」に変更してしまった。

 郊外立地で集客に苦労したため、以降は集客が見込めない限り、駅前を優先して直営で出店を重ねている。

 ◆テークアウトを増やすための秘策

 現在、店舗の出入口付近にはギョーザなどを販売する縦長のリーチイン・ショーケースが設置されている。これは、コンビニで缶ビールなどのドリンクを売る際に使われているものだ。以前は、コンビニで弁当を売るショーケースをそのまま使っていたが、保冷効率を改善するために変更した。

 最初は対面販売でなければ持ち帰りギョーザは売れなかったのだが、「コンビニに慣れたからショーケースで売れるようになったのではないか」と池野谷社長は分析している。売り上げの40%を占めるテークアウトのうち、7%の宅配を除く33%がこのショーケースから生み出されている。

 ショーケースに入っている商品の売れ筋は、ギョーザが圧倒的で8割を占める。冷凍と冷蔵の比率は7:3で冷凍のほうが売れる。この他、生麺、焼豚などの商品を販売している。

ITmedia ビジネスオンライン

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