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【大前研一 大前研一のニュース時評】リー・アイアコッカ氏死去に思う…典型的な「ダメ経営者」 (1/2ページ)

 米国の自動車産業の大物経営者だったリー・アイアコッカ氏が死去した。94歳だった。黄金期のフォード・モーターの社長を務め、その後、経営危機にあったクライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモービルズ)の会長として同社を立て直したと言われる。

 アイアコッカ氏について、「米産業界を代表する辣腕経営者」と評価する声は高い。しかし、私は「ダメ経営者の典型」だったと思っている。

 フォードに入社したアイアコッカ氏は、若者に大ヒットした低価格のスポーツカー「マスタング」の開発責任者として頭角を現し、1970年に社長に就任した。私も米国にいたとき、マスタングに乗っていたが、確かにいいクルマだった。

 その後、創業者一族との対立で79年に社長職を解任されると、翌年、クライスラーの会長兼最高経営責任者(CEO)として迎えられた。

 当時、米国の自動車メーカーは石油ショックと日本車との販売競争で新車需要が落ち込み、クライスラーは破綻危機にあった。アイアコッカ氏は就任直後に米政府から15億ドルの債務保証を取り付けて資金調達し、中型車や小型車の開発に注力し、クライスラーを黒字経営に転換させた。これにより、「米国産業界の英雄」と称されるようになった。

 しかし、本業とは関わりのない事業に次々投資し、巨額の損失を出した。一時は良くても、結局、立て直しはしていない。米国における自動車メーカーのトップ4はGM、フォード、トヨタ、クライスラーの順。長期低迷で、トヨタにも抜かれてしまっている。

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