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【AI時代の発想術】真のクリエーティブとは「上手い・下手」ではなく…“感情表現”すること (1/2ページ)

 私事だが、米ニューヨーク在住の小林久子画伯の紹介で、8月2日にスペイン・マヨルカ(マジョルカ)島の美術館で個展を開くことになった。

 そのため、この2カ月間、2メートルの大きな作品をいくつも描き、寝ても覚めても作品のアイデアを考える日々を送っている。

 以前この欄で述べたように、AI(人工知能)時代になると人間性の尊厳は芸術に宿る。これは、自分自身がどっぷりと絵を描く生活をしてみて実感した。AI時代には誰もが、芸術などの創作活動を中心に仕事をするようになるだろう。

 創作活動を主にすると、ものの見方がまるで変わる。今まで、見えているのに見ていなかった物事を意識的に見るようになり、いろいろな方向から深く本質を見極めようとする。絵の場合、自分がどう見たか、どこまで見抜いたかが描いた絵に現れるので、自分を見つめ直すこともできる。心のままに絵を描いてみると、自分がいかに本気で世の中を見ようとしていなかったかを思い知らされる。

 また、気力が充実していないと、生きた線は1本も描くことができない。果たして、これまでこれほどの気合を仕事に発揮していたか疑問に思うほどだ。

 意識的な見方をすると、世の中の動向が見えるようになるのと同時に、自然とアイデアが出てくる。「どうやら世の中は○○の方向で動いているようだ」「世間の人たちは××の状態にあり、◎◎を望んでいるように見える」といった具合だ。現実を自分の目で見て浮かんだ考えだからこそ、地に足のついた良いアイデアが湧いてくる。

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