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【榊淳司 マンション業界の秘密】“局地バブル”終了…消費増税の影響は計り知れない (2/2ページ)

 不動産市場というのは、実のところ金融政策の影響をもろに受ける体質になっている。一般の人が購入するマンションから、大企業が売買するオフィスビルや事業用地など、その取引にはほとんど銀行融資が絡んでくる。

 個人の購入なら住宅ローン。企業のビル購入なら不動産担保融資。だから、銀行からの融資がスムーズに引き出せないと、取引自体が停滞する。

 逆に、銀行側が「もっと借りて」というスタンスになると、不動産融資が活発になりすぎて市場のバブル化にもつながる。

 黒田バズーカ2は銀行の金庫に現金をうならせてしまった。彼らは手っ取り早くお金を借りてくれる不動産融資を拡大した。

 また、住宅ローンの金利が0%台になったことで一般人は高額の住宅ローンを組むことが可能になった。それに合わせたようにマンションの価格まで高騰した。

 そして、この10月1日に消費税が上がる。住宅ローンは0%台のままだが、スルガ銀行の事件などで不動産担保融資は下りにくくなっている。マンションも含めた不動産市場には、さらに停滞感が広がるとみられる。

 しかし、今回はバズーカという手は使えないはずだ。金利はすでにゼロである。市場にはマネーがあまり過ぎている。運用に困った一部の銀行は営業赤字に陥っている。

 となると、景気は自律的に回復するしかない。おそらく3年以上はかかると見るべきだ。その間、あまりにも非合理な水準まで高騰している今のマンション価格は徐々に下がるだろう。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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