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【こんな時代のヒット力】神奈川県民が支えるローカルブランド 崎陽軒「シウマイ弁当」 (1/2ページ)

 市場は縮小しているのに、売り上げは右肩上がり。過去最高を記録している商品がある。崎陽軒(横浜市)の「シウマイ弁当」(860円・税込み)だ。日に約2万5000食が売れ、出荷数も伸び続けている。会社全体の売上高も2018年度は、245億円に達した。

 価格の安いコンビニの弁当などに押され、逆境の続く駅弁市場。その中で、なぜシウマイ弁当が、売れるのか。

 崎陽軒の創業は1908年。横浜駅(現在のJR桜木町駅)構内で雑貨や餅、サイダーなどを販売していた。当時、「横浜は東京に近過ぎるため、下りの客は東京駅で弁当を買い、上りはもうすぐ東京駅のため駅弁の需要がないといわれた」(広報・マーケティング部、金田祐輔氏)。静岡のワサビ漬け、小田原のかまぼこのような名物がないのも不利だった。

 初代社長の野並茂吉氏は、南京町(現・中華街)で売られていた点心のシウマイに着目。職人を呼び寄せ、苦労を重ねた末、豚肉に干しホタテを混ぜることでコクがあり、冷めてもおいしいシウマイを完成させる。一口サイズの小ぶりなシウマイは、揺れる列車の中でもこぼさずに食べることができる工夫である。28年のことだ。

 当初は売れず、無料引換券の付いたビラを飛行機からまくなど苦労した。50年、シウマイ娘による駅売りが評判となって、ようやく認知度が広がった。「シウマイ弁当」の発売は54年。横浜名物シウマイの弁当として、発売当初から好調な売り上げだった。

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