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【住まいの処方銭】災害に学ぶ(8) 止水板の保管場所を知る お任せ意識を捨て「自助・共助」の意識を

 最近のマンションでは、新築時から、水の浸入を建物内に防ぐための「止水板」や「土嚢(どのう)」が準備されているところが少なくない。

 だが、「いざとなったら、管理会社が駆けつけて止水板を取り付けてくれるから安心と思うのは間違い」と話すのは、日本マンション管理士会連合会(東京都千代田区)の瀬下義浩会長だ。

 「大災害が来たら管理会社は多数のマンションを同時に対処することになり、あてにしないほうがよい。お任せ意識を捨て、自助と共助の考えに切り替えたい」

 なかでも、止水板や土嚢があることや、あっても保管場所を知らない人は少なくない。止水板の場所や設置方法などを防災訓練や、各戸に配布するチラシなどを通じて周知。カギがかかる場所で保管しているなら、取り出し方法や、設置者、設置方法、そして人が少ない平日昼間の対応なども考えておこう。

 一方で、「電動タイプの止水板が保管されているマンションがあるが、浸水して電気が使えないと役に立たない。事前に対処方法確認を」(同)とも言う。

 瀬下会長によると、あるマンションでは、止水板を設置する場合、まず理事、次に過去の理事経験者という順序で実施することに決めたという。昼間にマンション内にいる人も複数おり、「災害時に誰もいない」というリスクはない。

 別のマンションでは、「防災マニュアル」を作成。保管場所やカギの開け方、設置方法などを図解し、誰でも対応可能にした。ただ、「情報をたくさん入れて冊子の厚みが増すほど見なくなる」(同)。イラストを入れ、最低限やるべきことを箇条書きにするなど、わかりやすくしておきたい。

 なお、地下駐車場の車が浸水した場合は車両保険でしか対応できない。各自の責任で大雨の前に近隣のコインパーキングなどに移動させることなども広報しよう。(不動産・住生活ライター 高田七穂)

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