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【シニアライフよろず相談室】認知症対策(2) 「家族信託」を始めるには? 相続、遺言、成年後見…法律の専門家に依頼しスムーズに (1/2ページ)

 「家族信託」は、委託者(財産の管理を託す人)と受託者(財産の管理を託される人)が信託契約を締結することにより始まります。信託契約の中で、信託目的(何の目的で信託を行うのか)、信託財産(受託者が管理する財産)、受益者(信託財産から利益を受ける人)などを決めます。

 家族信託では、委託者と受益者が同一人物となるのが一般的です。高齢となった親(委託者兼受益者)が、判断能力がある元気なうちに、家族信託を利用して子供(受託者)に財産管理をお願いしておくケースが非常に増えています。子供に財産の管理権限を移転しておくことで、親が認知症などで判断能力を失った後でも、子供が親に代わって財産管理を行うことができます。

 「信託」と聞くと、信託銀行などの金融機関にお願いすると誤解をしている人が多いのですが、家族信託はあくまで家族で財産管理を行っていく仕組みですから、金融機関に財産管理をお願いするわけではありません。

 家族信託を始める場合には、司法書士や弁護士にお願いするのが一般的です。相続、遺言、成年後見などと密接に関連しますので法律の専門家に依頼するのがスムーズです。同時に相続税対策を行うことも多いので、税理士が窓口になるケースもあります。

 家族信託は新しい制度ですので、経験豊富な専門家に依頼することが大切です。一般的には(1)初回相談・基本情報のヒアリング(2)家族会議(3)専門家による信託契約書の作成(4)公証役場で家族信託契約の締結(5)信託口口座の開設(6)信託不動産の登記-という流れで開始されることになります。

 法律上求められているわけではありませんが、信託契約書は非常に重要な契約書となりますので、「公正証書」で作成するのが一般的です。後々の家族間のトラブルを防止するためにも、「家族会議」を行い、家族全員の同意の下で家族信託を開始することも重要です。

 また、信託財産をしっかり管理するための「信託口口座」(信託専用の財産管理口座)を開設することが実務上推奨されています。ただし、信託口口座の開設は、まだ全ての金融機関でできるわけではないことには注意が必要です。

 次回は、信託と同様に財産管理の制度である「成年後見制度」と「家族信託」の比較を行い、家族信託の理解を深めていきましょう。

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