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政府の“キャッシュレス推進”ウラの狙い 改善したい“不名誉すぎる”実態とは? (1/3ページ)

 消費税増税からまもなく1カ月を迎え、キャッシュレスへの関心の高まりが顕在化してきた。9月30日における「消費税」の検索ボリュームを100として、「キャッシュレス」「PayPay」といった検索キーワードとの対比を示したグラフを見ると、それがよく分かる。

 増税当日の10月1日には、「キャッシュレス」の検索ボリュームが相対的に高まった。増税を機に「消費税」は増税2カ月前の水準まで下落しているが、「キャッシュレス」や「PayPay」といったキーワードは依然として増税前の水準を維持しているようだ。

 キャッシュレス関連のキーワードにおける検索ボリュームが高まった背景としては、政府主導のキャッシュレス還元事業の存在が大きいだろう。この事業は、消費者がキャッシュレス決済で購入した金額のうち、最大5%分のポイントをキャッシュバックする国の補助制度だ。コンビニや近所のスーパーのレシートを確認すれば「キャッシュレス還元額」といった項目で、値引きかポイントの還元結果が記されていることだろう。

 このポイント還元事業は消費者だけではなく、店舗としてもメリットが大きい。なぜなら、キャッシュレス決済にかかる手数料の30%を肩代わりしてくれるからだ。経済産業省が2018年に公表した「キャッシュレス・ビジョン」において、事業者にとって参入障壁の1つだった店舗のコスト問題について呼応した形となる。

 20年6月までの時限措置とはいえ、政府が“身銭を切って”までキャッシュレス決済を推進するのは、異例とも思われる措置だ。その背景を理解するには、巷(ちまた)で言及されているような「インバウンド需要」や「脱税防止」以外にも押さえておかなければならない重要なポイントがある。それは、アンチ・マネーロンダリングだ。

 ◆“マネロン天国”からの脱却

 アンチ・マネーロンダリングの状況を審査する国際機関のFATF(ファトフ、金融活動作業部会)が08年に日本に対して実施した「第3次対日相互審査」では、49の審査項目のうち、日本は24項目しかパスせず、対策の甘さが明るみに出た。

ITmedia ビジネスオンライン

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