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【男のみ・だ・し・な・み】モンゴルから独自ブランドで販売! 「カシミヤブルゾン」

 カシミヤといえば、諸兄はパシュミナという名前を覚えているのではなかろうか。1999~2000年に女性たちの間で大流行となったインド北部のカシミール地方の伝統織物のパシュミナは、ガーゼのように極薄の大判ストールなのに指輪を通り抜ける。さらに超軽量で折りたたむと文庫本ぐらいになり、冬だけでなく冷房対策に重宝だと人気を集めたものだ。

 カシミヤはカシミール地方のヤギの毛を製品化したものが嚆矢(こうし)で、15世紀にシルクロード経由でローマに到達したものがおしゃれな貴族たちの間で大流行し、たちまちヨーロッパ中に広まった。

 カシミヤヤギが、冬は氷点下20~30度になる極寒から身を守るために表面の毛の下に蓄えたやわらかいウブ毛が原料となる。平均寿命は15年ぐらいだが上質のうぶ毛が取れるのは3~5歳のわずかな期間で、きびしい冬が去った5月ごろだけに採取され、しかも1頭からわずか150~250グラムしか取れず、不純物を取り除くと500グラムが150グラムとなる。

 最上質のカシミヤは内モンゴル(中国の自治区)と外モンゴル(モンゴル国)産といわれているが、内モンゴルより寒暖差が大きくきびしい気候条件のモンゴル(外モンゴル)産の評価が上がっている。

 世界の一流ブランドのカシミヤ製品を作ってきたモンゴルの専門工場が、自社ブランドとして立ち上げたのが「GOBI(ゴビ)」(www.haneda-shopping.jp/gobi/)で、遊牧民が採取した最高品質のものだけを選別し、長年培った高度な技術と専門知識を駆使して製品にしている。しかも漂白剤や化学染料を一切使わない自然のままのナチュラルカラー(ホワイト・ベージュ・グレー・ブラウンをそれぞれのアイテムに使い分けている)は環境にもやさしい。

 写真のベージュのブルゾン(税別6万5000円)はごくオーソドックスなデザインなので抵抗なく着こなせる。売り上げの一部はモンゴル遊牧民支援に使われるから、購入することで社会貢献していることになる。

 軽量でやわらかく保温性が高い(通常のウールの約8倍も暖かい)から着ぶくれしないので、スマートな着こなしを楽しめる。(執行雅臣)

 ■執行雅臣(しぎょう・つねおみ) ファッションジャーナリスト。福岡県出身。中央大学卒業後、文化出版局入社。『装苑』『ハイファッション』『MR・ハイファッション』などの編集長を経てフリーに。毎日の街歩き情報をブログameblo.jp/3819tune1224/)でつづっている。

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