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【シニアライフよろず相談室】認知症対策(3) 「家族信託」と「成年後見制度」の違い (1/2ページ)

 認知症などが原因で判断能力が低下したり、なくなってしまった方を支援するための制度として、成年後見制度があります。支援する人を後見人、支援される人を被後見人といいます。

 この制度は家庭裁判所が運用しており、判断能力低下後に家庭裁判所が後見人を選任する「法定後見制度」と、判断能力低下前に自分で後見人を決めておく「任意後見制度」の2つがあります。

 では、家族信託と成年後見制度の相違点についてご紹介します。

 (1)成年後見制度は、家庭裁判所が選任した「後見人」が財産管理を行います。後見人には、家族が必ずしも選ばれるわけではなく、弁護士・司法書士などの専門家が選任される場合もよくあります。家族信託では、信託契約で定められた「受託者」が財産管理を行います。受託者は、子供などの家族を選んでおくのが一般的です。※弁護士・司法書士などの専門家は、法律上家族信託の受託者になることはできません。

 (2)成年後見制度は、本人の判断能力の低下「後」に開始し、本人の「死亡」によって終了します。家族信託は、原則として本人に判断能力がある「元気なとき」(=判断能力の低下前)に開始し、本人の死亡など信託契約で定めた終了事由の発生により終了します。

 (3)後見人の権限は原則として「全財産」に及ぶことになります。一定の財産の処分には家庭裁判所の許可が必要となります。家族信託の受託者の権限は、信託契約で定めた「信託財産」にのみ及びます。受託者は信託契約に定めがあれば、信託目的の範囲内で信託財産の管理・処分を行うことができます。後見制度と異なり、裁判所の許可は不要です。

 (4)成年後見制度では、後見人は家庭裁判所の監督下に置かれます。後見人を監督する後見監督人が選任される場合もあります。家族信託では、受託者は家庭裁判所などの監督に服することにはなりませんが、信託契約により信託監督人などを置いて受託者を監督させることも可能です。

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