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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「神」》兜町の趨勢を見守ってきた兜神社

 東京証券取引所の北側に、「兜神社」という小さな神社がある。世話人会の資料によると、明治4(1871)年に鎧稲荷と兜塚を東京・大手町から日本橋兜町に移した際に新たに創建したのが発祥のようだ。

 明治11(1878)年には東証の前身に当たる東京株式取引所が設立され、証券業界関係者の信仰を集めるようになった。移転や社殿の建て直しを経て、昭和46(1971)年に現在の姿になった。

 証券業界は株券の電子化や大量の売買注文を高速で処理するシステムの導入、地場証券の淘汰(とうた)などを繰り返し、様変わりした。昔ながらの飲食店や書店などが消え、新しいビルが建てられ、兜町の街並みもスマートになってきた印象だ。

 ところが年末の「大納会」や年始の「大発会」には、街の雰囲気が一変する。普段はひっそりとしている兜神社に、取引所や証券会社の関係者が次々と訪れ、証券市場の発展を祈願する。

 決して「神頼み」というわけではないが、生き馬の目を抜く厳しい世界に生きているからこそ、証券マンは昔ながらのしきたりを大切にしているということだろう。

 兜神社の境内には、源義家が前九年の役に出征する際に願掛けしたと伝えられる「兜岩」という岩が安置されている。前九年の役での勝利がその後の源氏の繁栄につながったとされている。証券マンは勝利や成功にあやかろうとしている。

 足元の日経平均株価は高水準で、東証1部の売買代金は活況の目安となる2兆円を超える日も増えてきた。ただ、大規模な金融緩和の継続に加え、機関投資家が株価指数に連動した買うことが増えたことで、変動が少なく面白みに欠ける展開が続く。

 「記者泣かせ」ではあるものの、市場関係者が懸念するバブルやリーマン・ショックの再来だけは勘弁してほしい。記者も今朝方、兜神社にお参りしてきた。(B)

【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。11月のお題は「神」です。