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【大前研一 大前研一のニュース時評】需要の活性化、価格を通じて収益の最大化 AI時代に加速する変動料金制「ダイナミックプライシング」 (1/2ページ)

 家電量販店大手のノジマは、商品価格をデジタル表示する「電子棚札」を全184店に導入した。電子棚札の全店舗への導入は国内初。電子棚札は無線通信を通じて価格や商品情報などをリアルタイムで変更、表示できる小型ディスプレイだ。

 これにより、ほぼすべての商品の値付けを本部から、またはAIで遠隔操作で変更できる。また、同じく家電量販店のビックカメラでも、2020年8月をメドに全店舗で電子棚札を導入する。

 これ、売れ筋や在庫状況、競合店やネット通販の価格などを総合的に分析して、料金に反映させる変動料金制の「ダイナミックプライシング」「リアルタイムプライシング」につながる。需要が集中する季節や時間帯は価格を割高にして需要を抑制し、需要が減少するときは割安にして需要を喚起するものだ。いずれも収益を最大化するのに以前から用いられていた経営手法だが、ICT(情報通信技術)とAIでそれがかなりやりやすくなったということだ。

 今回は家電量販店の例が出てきたが、それ以外の業界でも非常に応用範囲が広い。例えば、スーパーで夕方から閉店時間にかけて、野菜、総菜、魚介類などの生鮮食料品をこれまでの経験や勘で大ざっぱに「2割引」「半額」のシールを張っているが、これは本来、1品ずつ、ダイナミックプライシングをしていくべきだと思う。

 ほかに、ローソンは今年の2月に食品ロス削減のために電子タグを活用したダイナミックプライシングを試験導入した。駐車場予約アプリのakippaも、昨年からダイナミックプライシングをリアルタイムに自動で実施する実験を始めている。

 また、福岡ソフトバンクホークスは今季の開幕戦からダイナミックプライシングにより価格を決定するAIチケットの販売を開始した。1試合あたり約1500席が対象。販売価格は過去のデータや順位、対戦成績、試合日時、チケットの売れ行きなどからAIが需要を予測して決定する。

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