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【大前研一 大前研一のニュース時評】需要の活性化、価格を通じて収益の最大化 AI時代に加速する変動料金制「ダイナミックプライシング」 (2/2ページ)

 企業にとってのメリットは、需要が高いときに高価格で売り切ることができ、需要が低いときに値下げすれば在庫のリスクも少なくなる。デメリットはこのためのシステム開発にコストがかかること。

 消費者にとっては、入手が困難な商品やサービスも金額次第で手に入れることができる一方、みんながほしいという瞬間に買うと高額になってしまうデメリットがある。

 ダイナミックプライシングは米国の航空業界が1980年代に本格導入。日本でもホテルや航空業界でGWやお盆の繁忙期に料金が高く設定されるなど以前からある仕組み。

 遊園地の観覧車みたいに、昼間、空っぽなのに電気を使って動かしているものにも応用できる。シネコンも、5分後に映画が始まるのに席が7割空いているというときに、目の前を歩いている人に「半額でいいです」と誘うこともできる。ただ、先に正規の料金で入場している人には内緒にしなければならないが、そのためにスマホで「あなただけの画面」を作って入場の際に示す。

 このように、今後、そこらじゅうに応用事例が出てくると思う。スマホのQRコードも利用できる。まだシステムが未熟なので、これからスタンダードなものが作られるはずだ。ということで、AIの登場により、ダイナミックプライシングは需要の活性化、空いたものを有効利用する、価格を通じて収益を最大化する、など非常に注目されるシステムとなっていくだろう。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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