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【新・兜町INSIDE】日銀が「金融脆弱性の点検」項目新設…金融庁が掲げる「銀行再編」促進

 日銀が先週、金融秩序安定政策の土台となる金融システムリポートを公表した。「金融脆弱(ぜいじゃく)性の点検」の項目を新設し、リスクの芽を事前に摘み取る姿勢を明確にした。全般に銀行にとって耳の痛い指摘が多く、金融庁が掲げる銀行再編の促進を側面支援する内容となっている。

 日銀は総与信(融資)の対GDP比率が拡大する一方で、利ざやの薄い低採算の貸し出しが増えていると指摘した。不良債権処理コストが「地域金融機関を中心に増加し始めている」として、融資業務の採算性がさらに低下していることを強調し、景気の「下押し圧力を強める」要因になりかねないと警告している。

 融資採算の低下は日銀のマイナス金利政策の副作用で、銀行の自助努力で克服できる範囲を超えている。ただ、日銀がマイナス金利による副作用の緩和に動く気配はうかがえない。このため、銀行業界では「現行のマイナス金利政策に耐えられる銀行だけが生き残ればいいという日銀のメッセージ」(関東の地銀幹部)と受け止められている。

 【2019年10月30日発行紙面から】

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