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【田村秀男 お金は知っている】「金欠」の習政権になめられる日本 安倍政権は中国経済の窮状に気付いていないのか (2/2ページ)

 資本逃避は、貿易や投資、融資などの中国に出入りするカネのうち当局が補足できない正体不明のカネ、「誤差脱漏」を差す。2015年に急増したあと、習政権の取り締まりで少し減ったものの、今年に入って再び急増し、6月までの1年間の合計は2400億ドル超で過去最大。この間、海外から3000億ドル以上借金しているが、その8割相当が逃げている。不動産市況低迷に加え、米中貿易戦争に伴う経済難の進行が背景にある。

 本来なら国内の投資に回るべきカネが外に出るのだから経済成長できない。中国の資金発行は流入する外貨を担保にしているが、外貨の主力源だった対米貿易黒字は減っている。おまけに資本逃避のために売られる人民元を外貨準備取り崩しによって買い支える羽目になる。

 外貨を補填する最後の手段が対外借り入れで、18年に急増した。膨張に驚いた習政権は圧縮に動いたが、それでも対外債務を増やし続けざるをえない。外貨建て債務は人民元金融の源泉なのだから、債務圧縮は金融引き締めを伴い、不況を加速させる。頼みの綱はカネ余りの日本だから、習氏は安倍首相にすり寄るのだ。安倍政権はこのからくりに気付いていないから、毅然とした対応をとれないのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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