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「技術の日産」の魂は、死んでいない アライアンスの行方は? (1/3ページ)

 日産自動車経営陣の新体制が固まった。日産の内田誠氏が代表執行役社長兼CEOとなり、COOには三菱自動車からアシュワニ・グプタ氏、副COOには日産の関潤が昇格し、3頭体制で経営していくことになる。就任は早くても2020年1月1日以降となるようだが、新体制への期待は高い。今後、日産自動車は、どうなっていくのだろう。

■ワンマン経営から3頭経営への大転換は吉となるか

 そもそもは、カルロス・ゴーン被告のワンマン経営による不透明な資金の流用や報酬の不正な受領が、今回のガバナンス問題の引き金となった。3頭体制はそうした暴走を防ぐ効果も狙ったものなのだろう。

 それでも、これからの日産自動車がどうなっていくのか、気を揉んでいる日産ファンも少なくないだろう。トヨタが、スバルやマツダ、さらにはスズキまで資本提携してオールジャパンで挑むのに対し、ルノー、三菱と国際的なアライアンスを組むのは対照的な体制だけに、それぞれの戦略と特徴の違いは気になる。

 日産はかつて経営危機に陥り、ルノーに出資してもらわなければ倒産もやむなしだった。だが、あの時仮に、日本航空(JAL)や現在再建中のジャパンディスプレイ(JDI)のように国の援助を受けて生き延びてきたとしても、この先の自動車業界の変革を単独で乗り切ることなど到底できなかったはずだ。

 ルノーからは資本援助を受けただけではない。コストカッターと呼ばれたゴーン被告の手腕により、大幅なリストラが断行され、長年の高コスト体質からの脱却を図ったことことが、今日へと日産へと導いた。筆者の知り合いにも、あの時のリストラでの被害者がいるため、どれほど従業員の傷みを伴うものであったかは知っているつもりだが、あのリストラ策がなければ日産の再建は不可能だったのは明白だ。

 その後のプラットフォーム共用化など、開発コスト圧縮の強化、商品力の向上が図られたのも、ルノーとのアライアンスによる恩恵だ。しかし実際の現場の声を聞いてみると、それは一筋縄でいくようなものではなかったのだ。

 プラットフォーム開発で衝突、想像を絶する生みの苦しみも

 そもそもFF小型車作りに関しては、歴史もノウハウもあるルノーが、日産が作る小型車のプラットフォームを黙って受け入れるわけがない。お互いの主張を盛り込んで共通のプラットフォームを作り上げるのは、想像を絶する両者の衝突が繰り広げられた。

 第2世代ともいえる現行のプラットフォームでは、日産とルノーがセグメント別に役割分担して、それぞれ日産主導、ルノー主導のプラットフォーム開発を行っている。それでも要所要所にお互いの意見を取り入れることで、長年のクルマ作りで培ったノウハウをうまく組み込み、優れたプラットフォームを作り上げることができるようになった。

 フォルクスワーゲンの「MQB」のように、セグメントを超えて使えるスケーラブルなプラットフォームは例外とすると、自動車メーカーはセグメントによって決まったプラットフォームを使い、ボディや内装、足回りのセッティングなどでキャラクターを演出し、それに見合った走行性能を作り上げるのが一般的な手法だ。

ITmedia ビジネスオンライン

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