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【渡邉美樹 経営者目線】日本を韓国のようにはしたくない 映画「国家が破産する日」を鑑賞 (1/2ページ)

 今月公開された映画「国家が破産する日」を見た。1997年のアジア通貨危機の韓国の国家破産を克明に描いた作品で興味深くおすすめだ。

 物語は韓国銀行(韓銀)の女性バンカーが国家の財政破綻を7日前に察知するところから始まる。バンカーは、危機を国民に公表するよう中央銀行総裁や政権幹部に伝えるが相手にされない。

 「昔もそうした話はあった」「今まで起きていないじゃないか」などの反応を繰り返すシーンが印象的だった。私が日本の財政破綻を心配し政策提言をするたびに、国会内で言われたセリフとまったく同じだ。未曽有の危機でも「起こる前」はこうしたものである。

 同様に国家破産を予期した証券マンも登場する。破産を絶好の「投機」と考え、会社をやめ、投資家を募る。「バカなことあるか」という反応もあれば「一緒にやろう」と大金持ちになる人も出てくる。まずは、資産をありったけ外貨に換え、そのあとは暴落した不動産を、いずれ価値が回復すると買っていた。私も、資産防衛は外貨と一等地不動産だと経営者仲間と話す。

 同時進行で、ある下請けの町工場の経営者も出てくる。それまで手形を嫌い、現金決済をしてきた社長が、大企業との取引で、普段に反し手形決済を行うが、国も大企業も破産し、手形は紙くずとなり、苦しむ姿がある。危機をあらかじめ公表していれば、救えたかもしれず、経営者目線でとにかく切ない。

 破綻後、国際通貨基金(IMF)が、再建プログラムを提示する。合意をしなければ、融資をしないと強硬だ。韓国が受け入れたのは、「付加価値税の範囲を広げ税金をとりなさい」「回復の見込みない金融機関は潰しなさい」「外国人の株式投資の限度額を55%まで上げなさい」などの要求だった。

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