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【こんな時代のヒット力】「2カ月分」が5時間で売り切れ! 栄養素の配合考え試作「300回」! 日清食品「All-inシリーズ」 (1/2ページ)

 2019年3月、即席麺最大手の日清食品(東京)が完全栄養食品市場に参入した。「粗挽き牛肉のコクと旨みの濃厚ボロネーゼ」「国産バジルを贅沢に使った香りとコクのジェノベーゼ」「完熟トマトに唐辛子をきかせたスパイシーアラビアータ」の3種で展開する、「All-in PASTA」(以下『All』)である。2カ月分の在庫が5時間で売り切れる好調ぶりだ。

 「All」は、1食分のパスタに13種類のビタミン、13種類のミネラル、タンパク質、食物繊維を配合し、1食で1日に必要な栄養素の3分の1が摂取できる。

 開発を担当したマーケティング部ダイレクトマーケティング課ブランドマネジャー、佐藤真有美氏は「生活スタイルの変化やダイエットなどにより、摂取カロリーが足りていても栄養が十分摂れていない新型栄養失調の急増が、開発のきっかけだ」という。

 また、素材自体に含まれる栄養価も減少している。品種改良で野菜の味が美味しくなった半面、えぐみなどに含まれていたミネラル分が失われているのだ。

 コンセプトは半年ほどで完成したが、苦労したのは麺作りだった。麺は小麦粉の内側にビタミン、ミネラルなどを閉じ込めて作る。それらは小麦粉のような伸縮性がないため茹でるとブチブチと切れてしまい、食感も悪かった。小麦粉と栄養素の適切な配合を求めて麺を作り、茹でて味をみる。ひたすら繰り返した。その回数、約300回。高価な栄養素だけに材料費も多額に上り、完成まで1年かかる。「前代未聞の難易度だった」(佐藤氏)

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