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【田村秀男 お金は知っている】「ソフトバンク1兆円損」真の意味とは 借り入れが焦げ付くようなことになれば… (1/2ページ)

 最近注目したビジネスニュースは2つ。孫正義会長兼社長率いるソフトバンクグループが前年同期比で1兆円近い損失を被った。もうひとつは、金融持ち株会社、SBIホールディングス(北尾吉孝社長)の地方銀行への出資攻勢。SBIはソフトバンクグループから離脱しているが、両社は同じグローバルの匂いがぷんぷんする。

 経済界といえば、ネコも杓子(しゃくし)も「グローバル経営」だ。社内の公用語は英語、経営トップは欧米人という企業が珍しくなくなった。海外企業の買収や投資での失敗は数多いのに、経営者は国際派として名を挙げ、責任を問われることはめったにない。国内よりも海外に投資したほうがよいという安易な社内カルチャーがはびこっている。

 冒頭の話に戻す。10兆円を運用する「ビジョン・ファンド」など孫氏のファンド事業の巨大損失案件をどうみるべきか。

 日経新聞を筆頭に国内メディアはもっぱら孫氏の投資判断の失敗という側面から取り上げているが、筆者はグローバル化至上主義に傾く日本への警鐘だととらえるべきだと考える。

 日経などを読むと、ファンドのカネの多くがサウジアラビアなど大口の海外の投資家から集められているので、「1兆円損しても国内経済と関係はない」とみなすはめになりそうだが、だまされてはいけない。

 ソフトバンクグループのキャッシュフローを支えている主力事業はあくまでも携帯電話サービスなど国内にある。稼いだ収益は本来、国内顧客向けに再投資するのが本筋だ。もうひとつ、同グループの借り入れはメガバンク、特にみずほ銀行からである。焦げ付くようなことになればたちまち金融市場全体が揺れるだろう。

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