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【渡邉美樹 経営者目線】国のクールジャパン戦略は失敗 ワタミ・和牛焼肉で世界へ (1/2ページ)

 国民の税金が使われている官民ファンドの失敗が目につく。議員時代に自民党のクールジャパン特命委員を務めたころから指摘をしてきたが、経済産業省所管の「クールジャパン機構」の投資は「失敗」と認めるべきだ。

 経営復帰後、ロスやシンガポールのクールジャパン機構が投資したハコモノを視察したが、閑古鳥が鳴いていた。大きな予算をつぎこみ、その効果があがっていない。機構は累積179億円の赤字という試算もあり、大きな責任だ。

 私の指摘の1つ目は、「投資の目利きがいない」ことだ。シンガポールには、現地のワタミもあるが、現地法人の社長いわく、クールジャパン機構の拠点では、とても利益を出すのが難しく、出店基準に合わないときっぱり言う。

 しかし、地方の飲食企業が、国が出資する機構の拠点だと信頼し、出店し苦戦を強いられている。同じショッピングモールに、安価な飲食店が多数あり、その一点だけでも「目利きのなさ」が露呈し、さらに、日本産食材を使用するとなると、物流費などがかさみ、本来、相当の経営力が求められる。

 2つ目の指摘は、「効果検証、PDCAがまわっていないことだ」。結果の出ない事業は、即、PDCAをまわすのが経営の基本だが、P(計画)とD(実行)ばかりで、C(評価)とA(改善)が行われていない。週次、月次で、売り上げや投資効果を見張るのが普通の経営だ。

 ほかにも、農水省所管の官民ファンド「A-FIVE」も赤字115億が指摘され、廃止を検討の報道があった。しかし、農林水産省は廃止と同時に別の投資機関をつくるよう求めている。官民ファンドは「なぜ失敗」するのか、その検証をまずはしっかりとするべきだ。

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