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【田村秀男 お金は知っている】「日韓対話」再開の裏に韓国経済の窮迫化! 対日関係悪化で「株安・ウォン売り」加速 (2/2ページ)

 グラフは、韓国の最近の実質国内総所得、実質住宅建設と韓国株価の推移である。国内総所得とはGDPを所得面から見たもので、GDPとは最終的には一致するが、統計方法の関係で短期的にはかい離が生じる。それでも文字通り所得の実勢を表している。一目瞭然、住宅建設と株価は昨年秋から下がり続け、実質所得も今年に入って以来前年比減のトレンドに陥っている。実質GDPは2%台のプラス成長を維持しているが、所得面ではマイナス成長というわけだ。

 もう一つ見逃せないのが住宅建設の動向だ。グラフが示すように、昨年後半から住宅建設は実質ベースで前年を下回るようになり、この6~9月期は前年比で2割近くにまで落ち込んだ。韓国は家計債務のGDP比が9割を超え、日本の同58%、米国の76%をはるかにしのぐ。それを可能にしているのが韓国独特の住宅賃貸制度「伝貰(チョンセ)」だ。借り手は家賃を払う代わりに、契約時に住宅価格の5~8割程度を貸し手に払う。住宅市場が崩れ出すと、家計債務問題が一挙に表面化し、信用パニックが勃発しかねない。

 グラフが示すのは、韓国の生産、所得、そして金融という経済全般の急激な落ち込みだ。株価は今月、米中貿易戦争の部分的な「休戦」によって多少持ち直しているが、中国経済の減速は相変わらずだ。日本との経済関係を正常化させ、自国経済難の打開につなげたいと願っているはずだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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