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【渡邉美樹 経営者目線】政治家、指導者の条件 李登輝氏の哲学と、年末の香港視察 (1/2ページ)

 2020年、節目の年。今年は、ゼロからのスタートのつもりで土台作りをしていきたいと、新年に自らの抱負を決意した。日本の政治は、「桜を見る会」や「IR汚職」が話題となり、世界の政治も、「自国第一主義」が台頭する。今、政治も、ゼロから土台を見直すべき時期に来ていると思う。

 昨年末、デモが続く香港に行った。街中に張られていたビラから香港市民の「怒り」を感じた。しかし、市民の要求に、中国政府がすべて応じることは難しく、終息には時間がかかると感じた。

 香港和民にも、長期化を織り込んだ経営戦略を指示した。先の香港の区議会議員選挙も「民主化圧勝」の見出しの報道が伝わったが、選挙は小選挙区制で、死に票も多い。実は4割の市民は、中国寄りもしくは早期解決を優先すべき投票行動をしている。民意が複雑だ。

 難しい問題に直面した時は、無私の指導者が求められる。今年は、7月に東京都知事、11月に米大統領と国内外でリーダーを決める重要な選挙を控えている。私はこれまでにも尊敬する指導者を問われると、台湾の李登輝元総統の名を挙げてきた。その哲学は、著書『指導者とは何か』(PHP文庫)に示されている。李氏はまず、民主国家の指導者の条件に、《誠意をもって民意を汲む》こと、《個々人の幸福のために長期的な計画を策定できる》こと、《組織全体の幸福と発展を実現できる》ことを挙げている。

 私は政治とは、「全体最適の番人」だと考えている。決定に際しては、無私=私的な感情にとらわれたり、利害の計算をしたり、私心がない、政治家や指導者でなければならない。

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