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20年はデベロッパー倒産時代!? あふれる完成在庫に中小は疲弊…ジャーナリスト・榊淳司氏がマンション業界を斬る! (2/2ページ)

 大手はまだいい。特に財閥系などはマンション開発はどちらかというと傍流のため、主力のビル事業や都市開発に人的資源を振り向けられる。

 対して、中堅をはじめ、中小・零細のデベはそうもいかない。ここ数年、そんなデベも何とか持ちこたえてきたが、2020年も耐えられるかどうか。私はそろそろ危ないのではないかと考えている。

 マンションの開発事業というのは、基本構造は自転車操業である。次から次へと事業用地を仕入れて物件を建設。それを一般消費者に販売して得た利益で社員の給料を払って、次の事業展開の資金に向ける。このサイクルがうまく回っている時には、効率よく利益が上げられる。会社も急成長することが可能だ。

 だが、いったん逆回転を始めると経営が急激に悪化して、数年持たずに倒産ということになる。リーマン・ショック直後に、飛ぶデベが続出したのは、恐ろしい勢いでカネ回りが悪化し、事業サイクルが止まったからだ。

 この子年、デベを取り巻く環境は悪化の一途をたどりそうだ。消費増税によってジワジワ広がる不況感。中古市場での値下がり可視化。在庫に苦しむデベが始める大幅値引きなど悪材料に事欠かない。

 そのうち、名の知れたデベの倒産も出てくるだろう。中小以下のマンション専業にとって、生き残りをかけた正念場と言える。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など著書多数。

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