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【こんな時代のヒット力】万年筆を知らない子供をターゲットに! パイロット「カクノ」 (1/2ページ)

 ■1000円で高級品の壁突破 インク24色や美文字ブームで大人気に

 今の季節、寒中見舞いなどで万年筆を使うと、独特の書き心地が手で書くことの良さを改めて知らされる。

 万年筆市場は年間約100億円。デジタル時代にも関わらず、微増を続けている。それを牽引するのが、2013年に発売された子供向け万年筆「カクノ」(パイロット/東京都中央区)だ。初心者が使いやすい工夫、かわいいデザインなどでブレーク。「初年度、65万本という万年筆としては50年ぶりの大ヒット」(営業企画部高筆企画グループ、斉藤真美子氏)となった。

 開発のきっかけは08年頃。「1000円の万年筆が作れないか」という経営からのオーダーだった。だが、「1000円の万年筆、誰が使うの? どこで売るの?」という声に進まなかった。3000円というカジュアル万年筆のシリーズ「コクーン」を立ち上げたばかりの斉藤氏も同じだった。「3000円が限界。1000円なんて実用性がない」と思っていた。

 企画を担当することになり、調査を行うと若い世代ほど万年筆がオシャレ、カッコいいとして、使ってみたいと思っていることが分かった。知らない世代には、新鮮なのだ。しかし、「万年筆は高いと思い、実際には使っていない」(斉藤氏)。一方で、万年筆をハイクラス(5万円以上)、スタンダード(1万円以上)、ビキナーズ(3000~5000円)と分類すると、「ジュニア向けが空いていることに気がついた」。

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