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【榊淳司 マンション業界の秘密】郊外の新築マンションが“リーマン級”の販売不振 流れが読めないデベロッパーは淘汰される (1/2ページ)

 私は東京、神奈川、埼玉、千葉などの通勤圏で販売されている新築マンション各物件の資産価値を評価したレポートを作成し、ネット上で有料頒布している。

 最近感じることは、郊外エリアでの新築マンションが一様に販売不振であるということだ。それはもう、あのリーマン・ショックの頃と同じくらい売れていない。

 デベロッパーは、あまりに売れないと新たな物件を開発しなくなる。現に、首都圏の新築マンション供給戸数は最盛期の2分の1から3分の1程度にまで減少している。しかも、供給エリアは都心に集中する傾向にある。

 つまり、郊外での新築の供給戸数はこの10年ほどで激減しているのだ。

 郊外で供給される新築マンションは、ほとんどが初めて不動産を買う「一次需要層」と呼ばれる人々向けである。年齢ならおおむね30代。子供のいるファミリー層である。彼らは子供が学齢に達する前に物件を購入したい、と考える。

 10年以上前の新築マンション市場の主役は、こういった郊外の一次需要層向けのファミリー・マンションであった。

 ところが、ここ10年で新築を供給する中心エリアは、すっかり都心へ移ってしまった。その理由は、若年カップルたちのライフスタイルの変化だ。

 そもそも、マンションというのは一時的な仮住まいで、最終的には郊外の芝生の庭付き一戸建てを手に入れるのが住宅購入のゴールだった。

 しかし、そういった住まいは都心から遠い。そして、奥さんは専業主婦であることを想定している。働いてもせいぜいご近所でのパートレベルのはずだったが、最近では奥さんも都心の職場でバリバリと仕事をこなすキャリア志向になってきた。通勤に時間がかかる郊外は避けられてしまう。

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