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【榊淳司 マンション業界の秘密】マンション市場は「マネー×期待=バブル」「不安×不景気=暴落」 (1/2ページ)

 景気変動の原因の何割かは人々の気分である。だから景「気」である。

 景気が良くなればマンションの資産価値は上がる。逆に悪くなれば下がる。マンション市場が景気と逆に動くことはほとんどない。数少ない例外が、今まさに崩れようとしている不動産の局地バブルだ。

 アベノミクスが始まったのは今から7年前の2013年。08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災で沈んだ日本の景気を立て直そうと始められた経済政策だ。

 そのアベノミクスで最も効果を上げたのが、日本銀行の行った異次元金融緩和。簡単に言うと、金利を限りなくゼロに近づけた上に、市場にジャブジャブとお金を流し込むこと。

 これによって、日本経済は少なくとも不景気ではなくなった。失業率が低下して、ほぼ完全雇用状態。仕事を求めて街中をさまよう人はいなくなった。

 しかし、景気が良くなったとは言い切れない。その最大の理由は、個人所得が増えていないためで、実質的にはむしろ低下している。

 そんな中で、一部地域の不動産が値上がりした。場所によってはあの平成バブルをしのぐ価格になった。だから、これは「局地バブル」と言える。

 14年頃からマンションの価格が上がり始めると、それを狙った投機買いが増えた。15年には相続税対策のマンション購入。16年頃には中国人の爆買いもあった。

 そういった需要を支えたのは潤沢なマネー。世界中で金融緩和を行っていたので、投機的な買いにも融資が付いた。

 マネーの大量供給と値上がりへの期待が掛け合わされると、そこにバブルが生じる。

 17年から18年へと、その流れが維持された。不動産市場には、折からのインバウンドブームに期待したホテル需要が発生して、土地価格を値上がりさせた。

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