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【経済快説】「厚底シューズ」で考える新技術との付き合い方 ビジネスの世界でも起こる「条件差による優劣」 (1/2ページ)

 今夏の東京五輪を前に、マラソン界がシューズ問題に揺れている。底が厚くその中に反発材が入った米ナイキの「厚底シューズ」が好記録を連発しているからだ。

 運動能力ではなく使用する器具によって勝敗が変わったり記録が改善したりすることは、スポーツの本来の姿からかけ離れており、厚底シューズを使用禁止すべきだという意見がある。一方、器具を使うスポーツは多いし、器具も含めて戦うことが人間にはふさわしいので禁止は不要だという意見もある。

 議論としては、野球における金属バット使用の可否に少々似ている。

 古くは、旧東京五輪の前の大会であるローマ大会でエチオピアのアベベ選手は裸足で走って金メダルを獲得した(連覇した東京大会はプーマのシューズだったらしい)。

 結局、今年の五輪では厚さ4センチまでの靴の使用が認められるらしく、厚底シューズに慣れたランナーはひと安心していることだろう。厚底を使わないランナーは、残念に思うのとともに、そのまま戦うか、これからでも厚底に慣れようとするかの岐路に立たされていることだろう。

 もっとも、ルールの範囲内で厚底を使うことはどの選手にも認められているのだから、競技自体が不公平ではない。選手と陣営はゲームのルールとして条件に適応するしかない。使用可能な器具が変わることは他の競技でもよくある。

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