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【シニアライフよろず相談室】介護(4) 徘徊繰り返す認知症患者、事故を未然に防ぐ「家族のSOS」 (1/2ページ)

 今週も「NPO法人札幌高齢者住まいのサポートセンター」「一般社団法人シニアライフサポート協会」代表の小番一弘氏が、介護問題について語る。

 先日、知人から、こんな話を聞きました。

 知人はある朝、自宅マンションの非常階段で頭から血を流して倒れている男性を目撃しました。あわてて119番通報し、男性は救急搬送されましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。

 その日の夕刻、警察から知人宛に「亡くなったのは同じマンションの住人の方。ご遺族がお礼に伺いたいとのことなので、部屋番号を教えても差し支えないか?」との連絡があり、ほどなくして亡くなった男性の奥さんと娘さん夫婦がやってきました。

 話を聞くと、亡くなった男性は長く認知症を患っており、このところ夜中に起き出して徘徊(はいかい)していたそうです。その度に家族総出で起きて捜索し、家に連れ帰るということの繰り返し。「今日も家族みんなで捜し回ったのですが、見つからなくて…。まさかこんなに近くにいたとは。階段を踏み外し、頭を打って即死だそうです。苦しまずに逝けて、良かったのかもしれません」。涙を浮かべて語る奥さんの表情には、どこか安堵(あんど)の色もにじんでいたそうです。

 名前は知らなかったけれど、エレベーターなどで顔を合わせる度に挨拶していた同じマンションの家族がこんなにも壮絶な介護の問題を抱えていたことを知り、知人は何ともやるせない気持ちになったそうです。

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