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【こんな時代のヒット力】概念を変えた安全で美味しい“日常食” 黒潮町缶詰製作所「防災備蓄用缶詰」 (2/2ページ)

 着目したのは、携帯性に優れ非常時には容器にもなり、常温で長期保存ができる缶詰だった。14年、黒潮町缶詰製作所を設立、試行錯誤が始まった。カツオ船団で深いつながりがある宮城県気仙沼市で被災者のヒアリングを行った。「アレルギーで食べることができなかったことや、甘いものを食べられた時にホッとしたなどの話を伺い、商品に取り入れた」(武政氏)。避難所で一番求められているのは、「アレルギーを含まない、安心して食べられる備蓄食品」という結論に至った。

 工場を丸ごとアレルゲンフリーにし、7大アレルゲン不使用で商品開発を進める。が、「一般的な醤油など使用できない原材料が多く、様々な調味料を試行錯誤しながらなじみのある味に調整した」(武政氏)。その結果、安全安心で美味しい備蓄缶詰に到達した。

 同社は「おいしいから食べる。食べるから日常的に購入する。それが備えになる」という循環備蓄を提案。「毎日食べたい非常食=日(ひ)常食」とパッケージもお洒落なものとなっている。

 展示会や店頭で試食を繰り返し、アレルゲンフリーを説明し続けた。それにメディアが注目、知られるようになった。17年度7000万円、18年度9000万円と売り上げは、好調だ。(村上信夫)

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