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新型コロナ感染禍、出版界にも波及 “おこもり景気”で書籍売り上げ急伸 「感染症」テーマ相次ぎ増刷、児童書もバカ売れ (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染禍が思わぬ形で出版界に波及している。疫病がテーマの古典小説が緊急増刷されるなど、感染症関連書の売り上げが急伸。安倍晋三首相の休校要請以降は、自宅にこもらざるを得ない子供向けの本を求める親も増え、関係者から「おこもり景気」との声も上がる。

 「仕掛けたわけではないので」と宣伝担当者も驚くのが、文豪カミュの「ペスト」(新潮文庫)への関心の大きさ。ペスト感染で封鎖されたアルジェリアの港町で闘う医師らを描く長編小説だ。

 1月下旬に中国・武漢市が封鎖された後、内容に現実を重ねた会員制交流サイト(SNS)の投稿などで話題となり、従来は月300部程度だった売り上げが急伸、計1万4000部の増刷が決まった。17世紀ロンドンを舞台としたデフォーの「ペスト」(中公文庫)も5000部、高嶋哲夫さんの「首都感染」(講談社文庫)は1万4000部と、小説の増刷が続く。

 専門家の著作も注目が集まる。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の感染対策の不備を動画で告発した岩田健太郎神戸大教授の「『感染症パニック』を防げ!」(光文社新書)は増刷に次ぐ増刷。マクニールの「疫病と世界史」(中公文庫)も注文が殺到中だ。

 免疫学者、宮坂昌之さんの「免疫力を強くする」(講談社ブルーバックス)は、増刷を機に新型に関する小冊子を挟み販売。元国立感染症研究所感染症情報センター長の井上栄さんの「感染症」(中公新書)は、ニーズに応え新型に言及した増補版が4月に発売される。

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