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【榊淳司 マンション業界の秘密】デベロッパーが「誠意」示さなければ…建て替えは都心の一等地でも失敗する! (1/2ページ)

 多くの人は「地上げ」というと悪いイメージしか思い浮かばないだろう。嫌がる住民から無理やり土地や家屋を買い上げるという感じだろうか。以前は乱暴な手法も用いられたが、今はそういうことはほぼなくなった。

 今の地上げは基本が地道な話し合いである。最後には売る方も買う方もウィンウィンになるように持っていく。だから、不動産の物件はもちろん、街を活性化する社会的な行為ですらある。

 地上げを成功させる鍵は、説得する側の粘り強い努力と、所有者に示す誠意にある。所有者が提案者の誠意を感じれば、地上げはスムーズだ。

 老朽化したマンションを新たに建て替えるのも、その一種である。

 元の区分所有者に相応の代金を払って買い取るか、新しい建物の住戸を割り当てるのがマンションの建て替え。これを行うには、区分所有者の5分の4以上が建て替え案に賛成する必要がある。

 建て替える物件が好立地であればあるほどスムーズに決まる。建て替えによって元の区分所有者が得られる買い取り代金の額や、あるいは新たに取得する住戸の資産価値が魅力的だから賛成しやすくなる。

 ところが、都心の一等地にありながら、その計画がとん挫しているケースもある。

 東京の港区と言えば、おしゃれな街の代名詞。駅徒歩数分にある、この老朽マンションは十数回階建てで築50年。数年前、業界のリーダー的な大手デベロッパーをパートナーとする建て替え計画が持ち上がった。

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