記事詳細

【こんな時代のヒット力】逆転の発想で売り上げ10倍! 鋳物メーカー・能作「錫婚式」 (2/2ページ)

 「錫婚(すずこん)式」に着目したのは、1年前だ。錫婚式とは結婚10年目のこと。金婚式や銀婚式ほど知られてはいない。調べると、ブライダル事業の人たちも需要がとれないと何もしていなかった。「誰もやっていないのならオリジナルをやってみようと考えた」(同)

 結婚10年目は離婚を考える人も多い時期である。子育てに必死だが評価されないことに苦しむ妻。その一方で、夫は会社の中核となり、家庭を顧みる余裕がなくなる頃だからだ。錫婚式はそんな時期に錫製品を贈り合い、使うほど美しく柔らかい光沢となるスズのように充実した夫婦生活を誓い合うものだ。

 錫婚式をモチーフとした「KIZUNA」シリーズを発表。だが、能作は、単に錫製品をアピールするのではなく、錫婚式イベントという、新たな提案を考えた。

 子どもたちが見守る中、ドレスを着たママとパパが誓いの言葉を読み上げる。その後、皆でオリジナルのスズ製品を作り、スズ食器でランチを囲み、家族の絆を確認する。価格はセレモニーに食事が付いて30~40万円に設定した。

 経験した夫婦の「錫婚式、素敵!」という感想がSNSやマスコミを通じて広がり、1年で40組が10年目を祝った。鋳物の町、スズの聖地、高岡発の新たなカテゴリーが誕生した。(村上信夫)

関連ニュース