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【田村秀男 お金は知っている】“コロナ恐慌下”に日銀はカネを刷り負けるのか? 円高進行、デフレ不況に拍車…リーマン後の二の舞いも (1/2ページ)

 今年の5月連休は在宅しかなく、仕事と休みのオンオフの切り替えに苦労させられた。鈍った感覚のせいか、題材の経済は深海底に沈んだ難破船のように見えてしまうが、それはモノや人に限っての話である。電子空間の中で膨大なカネがうごめく。

 新型コロナウイルス恐慌下の世界では、中央銀行によってカネが無限につくられる。

 2008年9月のリーマン・ショックの後、米連邦準備制度理事会(FRB)はドルを刷って、まず紙くずになりかけた住宅ローン債券を、次に米国債を中心に買い続けた。少し間を置いて共通通貨ユーロを発行する欧州中央銀行(ECB)も追随した。

 わが国の日銀はというと、何もしなかった。日本の金融機関は米欧と違って、リーマン危機で目立った損失を受けなかったため信用不安は起きないし、しかも金融緩和は実行済みと、タカをくくっていたからだ。

 拙論は当時、産経新聞朝刊1面で「日銀よ、どこに行った?」と書き、日銀だけがカネを刷らないと、とんでもない災厄が日本経済に降り注ぐと警告したが、それでも白川方明(まさあき)総裁(当時)は動かなかった。結果は超円高であり、輸出産業が大打撃を受け、デフレ不況に見舞われた。日本はリーマン・ショックの本家、米国やリーマン危機ととともに不動産バブルが崩壊した欧州よりもはるかに激しく景気が落ち込んだ。

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