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【榊淳司 マンション業界の秘密】すでに弱気な価格設定も目につく…「コロナ後」の新築物件は“大バーゲンセール”か (2/2ページ)

 緊急事態宣言が解除や緩和になった時には、新築マンション市場での販売活動も再開されるが、売主側もそれなりの危機感を持っている。

 すでに、新たに売り出される新築マンションの価格に、コロナ後をにらんだ弱気な設定も目につくようになった。

 また、マンションデベロッパーは完成在庫の処分を急ぐのではないか。コロナ後、時間は味方してくれない。土地の価格が下がると予測されるので、今から事業を仕込んだ物件はコロナ前よりも安い価格設定で売り出される可能性が高い。つまり、完成在庫をコロナ前の価格で売り続けても、市場に取り残される。

 不動産業者というのは、変わり身が早い。なぜなら、過去35年の間に3回のバブルの発生と、2回の崩壊を経験している。彼らにしてみれば「また崩れるのか」という感じだろう。

 在庫の処分を急ぐなら、値引きをするしかない。例えば、すでに全住戸の8割が販売済みであれば、残りの2割を2割引で処分したとしても、デベロッパーには十分な利益が残る。

 困るのは、五輪の選手村跡地に計画されているような物件だろう。完成在庫にもなっていなければ、全体の半分も売約済みになっていない。

 どちらにせよ、コロナ後の新築マンション市場に大バーゲンセールの季節がやってくることは、間違いなさそうだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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