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【新・兜町INSIDE】トヨタ自動車「自社株買い見送り」に驚き 株主還元自粛か

 トヨタ自動車が例年なら5月に発表する自社株買いを今年は見送った。豊富な内部留保による強力な買い支えが一時的に期待できなくなるため、市場では「株価の下振れリスクがこれまでより大きくなりそうだ」(インターネット証券)と警戒されている。

 トヨタが12日公表したのは2020年3月期決算短信と3月期末の剰余金配当の資料。発表文をパソコン画面で見た機関投資家は「金額や株数を明示した自社株買い計画が見つからず、驚いた」と話す。トヨタは昨年5月8日に3000億円、5000万株を上限とする自社株買いを9月末まで実施すると発表していた。

 自社株買いで市場に流通する株式が減少すると、1株当たりの利益や資産が増加するので、市場で歓迎される。ただ、自社株買いには株主への利益還元の性格もある。トヨタは財界総代表のような立場にあり、「新型コロナ流行で日本経済が苦境に陥っていることを踏まえ、自社の株主だけを対象とした大規模な利益還元を自粛したのではないか」(大手運用会社)との見方も。

 【2020年5月15日発行紙面から】

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