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【田村秀男 お金は知っている】「景気回復によって税収を伸ばす」麻生財務相はコロナ・ショックで正論に目覚めたか? (1/2ページ)

 5月28日付朝日新聞朝刊の解説記事は、コロナ恐慌対策のための大型補正予算を「打ち出の小づち」と揶揄(やゆ)し、「国債市場などで日本への信認が揺らぎかねない」と断じた。メディア各紙をじっくりみると同種の財政出動警戒論が頻繁に掲載されている。

 5月30日付日本経済新聞朝刊の土居丈朗慶応大学教授の「経済論壇から」の見出しは「公的債務の膨張に警鐘」で、財務省と見解の近い経済学教授たちの論考をまとめていた。

 それによると、学習院大学教授の伊藤元重氏は「コロナ後に世界の景気が急回復していく中で民間部門の資金需要が拡大していけば、長期金利が上昇する要因となりうる」、東京大学名誉教授の岩井克人氏は「人々の間でお金がジャブジャブ広がれば、貨幣に対する信頼が失われて流動性が崩れ、ハイパーインフレーションが起きる可能性も否定できない」、立正大学教授の池尾和人氏は「生産回復に先行した需要刺激策は、特定品目の物価上昇を招きかねず当面不要」と論じている。

 伊藤、岩井両氏は国債発行の膨張の結果、国債暴落や悪性インフレ・リスクが高まるとみなし、池尾氏は家計への現金給付や消費税減税は不要と言わんばかりである。

 朝日も日経も学者たちも財政均衡主義で共通している。財務官僚はこれからも同様のキャンペーンを期待していることだろう。

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